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2005-07-06
乳幼児期の発達と子どもの文化体験
埼玉県あかね保育園園長 牧 裕子 先生講演
今、子どもの内面が崩れてきているように思います。かつて自然の申でそこにあるもので遊んでいた頃、子どもの心は異年齢の仲間や多くの大人の中で育てられてきました。1945年以降経済の発達により、心は貧しくなりました。私たち大人は目に見えない心の成長にどう関わるべきかを真剣に考えなければなりません。
(1)乳幼児の発達について
人間の成長はバランスが篆要です。2歳児を持つ親の85%は「何かに頼りたいと思ったことがある」と言います。もちろん子どもが生まれてよかったと思う時間もあり、そのバランスが取れていることが重要なのです。
子どもを怒りながら育てていると“事が早く進み、気がつくとあたりがきれいになっていた”ということがあります。またある時はゆっくりと時間をかけて子どもに話しかけたりすることもあり、子育ては、親の感情が下がった時が怖いのです。また母親を助ける人が周りにいない方が多く、心のバランスを崩す親が増えています。
「誰かに聴いてもらいたい」と思っている時、母親の思いを聴いてくれる人、また、仲間をつくり育児について、交流をしながらー緒に子育てできるところ[子育て支援センター」といった毎日未就園の親たちが話のできる場が求められています。
今2歳と4歳の発達に心配があると言われています。2歳児は自我が育つ時、何度も失敗しながら、少しずつ何かができるようになり、だんだんとできることが広がっていく、このような体験を積み重ね、子どもの心に多くのことを受け入れる柔軟性が育ちます。多くの失敗こそが必要なのです。
4歳になると仲間ということをよく理解するようになります。“仲良しでいたい秘密を持ちたい"そんな時期でもあり、うまくいかず子ども自身がイライラする時期でもあります。5歳になれば、来年は学校という先が見えるので落ち着いてくるのですが、4歳は未来が見えず不安定になりがちです。保育園でもこの時期の仲間づくりがうまくいかないと子ども自身がますますイラつき、その気持ちを他者に向け“トラブル"がおきます。4歳児の仲間づくりはとても難しく、とても大切なことなのです。
0~1歳:なんでもやってもらう、母親と表情に取る問い合わせをする、大人と一体となっている時期で基本信頼関係を育てる時期
2歳:自我が育つ時期です。半分はできるけど、半分はやって欲しいと甘える時期でもあり、自分がやりたいことには一直線で押し通す、人に向かって自分を出していくので人とのトラブルが増えてきます。
たとえば人の持っている物が欲しいという時期です。この頃に演じることが楽しいという経験を持たせることは表現することが好き、自分の思いを伝えることが楽しいことのきっかけになります。ごっこあそぴなど~のつもりになって演じるとかまねをする、模倣することは次の自立に向かう力を育みます。3歳:これまでとは違い何かを自分もやつてあげる、徐々に基本的な生活習慣の自立の時期、3才になると手も心も外にむかう時期であり、食生活が自分でできるようになります
(2)子どもの文化を豊かに
子育てが心配になるような事件が次々と起こる中、人が好きと言える、人を信じられる『基本的信頼』を育てるために、大人は子どもたちにどの様な活動を大切にしていくのか、どのような文化を与えていくのかよく考えなければなりません、そして子どもの文化を見る目を豊かにしていくことが重要です。子ども自身が「自分が自分であっていい」と思える力は、子どもが直接人や自然に働きかけ、文化に触れることから五感で世界を感じることから始まります。
子どもの文化は『子どもの中の自分を育む力の栄養』です。
2005-07-06 in 子ども劇場茨城通信 | Permalink